香港、「468ルール」を導入 ― 継続雇用の新基準

香港立法会は2025年6月27日に「雇用（改正）条例2025」を官報に掲載し、2026年1月18日から施行されることが決まりました。今回の改正により、雇用条例における「継続雇用契約」の定義が見直されます。

主な変更点

従来の「418ルール」では、従業員は4週間連続して週18時間以上勤務することが継続雇用と認められる条件でした。

改正後は以下の2つの新基準が導入されます：

417ルール：4週間連続で週17時間以上勤務した場合

468ルール：4週間の合計勤務時間が68時間以上であれば、週ごとの時間数に関わらず適用

いずれかの条件を満たす従業員は、継続雇用契約と見なされます。

改正の目的

この改革は、週ごとの勤務時間が変動しやすいパートタイム、臨時労働者、ギグワーカーにより良い保護を与えることを目的としています。累積的な評価方法を導入することで、短時間勤務の週があっても雇用上の権利から排除されないよう配慮されています。

影響を受ける法定権利

継続雇用契約と認められる従業員は、以下の権利を享受できます：

• 法定休日および休日手当
• 年次有給休暇および休暇手当
• 病気手当
• 出産休暇・父親休暇
• 解雇補償金および長期勤続手

なお、従来の「418ルール」で既に対象となっている従業員は、新制度下でも途切れることなく保護されます。

雇用主が取るべき次のステップ

雇用主は、施行日までに自社のシステムや雇用方針を見直し、改正ルールに準拠できるよう準備を進める必要があります。特に、直近4週間の累積勤務時間を正確に把握・管理する仕組みを整えることが重要です。

今回の法改正は、香港における雇用保護をより柔軟で包括的なものにする重要な一歩です。変化する働き方に合わせて労働市場の公平性を高める施策として注目されています。

出典： Human Resources Online